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プレゼン資料のつくり方②
プレゼンする相手に5つの条件を設定

誰にプレゼンするのか?

30秒のパワポ動画で記事を要約

「どうやって」プレゼンするかの前に、「誰に」するかを明確にする。

プレゼン資料のつくり方①本当にプレゼン資料は必要ですか?でお話したように、説明を補足するプレゼン資料が必要と判断してつくりはじめるにあたり、まずすべきことはプレゼンする相手の条件を5つ設定することです。

プレゼン資料づくりに慣れていない時は「誰に」を曖昧にしたまま「何を」「どうやって」という部分に意識が向きがちです。

誰にって、だいたいクライアントとかでしょ。

例えば、この会社に提案しようとしている人がいて、センパイさんとコーハイさん、どちらが担当者になるかによって、プレゼンの方向性が変わってくると思いませんか?

俺が最も重視するポイントは、
お客様である俺をいかに崇め奉るかだな。

人の意思決定は経路依存なので、過去にどのような経験をしてきたかによって、未来の選択も変ることになります。

過去に同じようなサービスを利用して、失敗した経験がある人は、あらたに導入することをためらうことになり、はじめての人であれば、相見積などを増やして全体をできるだけ俯瞰しようとする可能性が高いです。

マーケティングの世界に「ドリルを売りたければ、穴を売れ」という有名な言葉がありますが、これはドリルを求める人はドリルそのものが欲しいのではなく、何かに穴を開けたいと思っているということです。

つまり、その人が発する表面的な理由だけではなく、本当の目的を理解しなければならないということになります。

皆さんのプレゼンを聴く人には、その人なりの動機があります。

それに目星をつけることが資料をつくりはじめるにあたってとても重要です。

「誰に」するかが決まれば、使える言葉が変わる。

例えば「フィボナッチ」「MACD」「移動平均線」という言葉を、金融関係の人たちの前で使えば、「チャート」の話をしているのかなと理解してもらうことができます。

しかし、それ以外の人たちに対しては、意図的に避けるか、用語を随時解説をしていくプロセスをプレゼンの中に組み込む必要があります。

例え話も同様です。

「底をうったと思ったのでエントリーしたら、数日後に底が割れたようなものです」といえば、金融関係の人であれば「あるある」と共感してもらえる可能性が高いです。

しかし、それ以外の人たちからすれば「?」となってしまい、プレゼンへの集中力を削ぐ原因にもなります。

つまり「誰に」をはじめに想定することがいかにも重要で、そのプロセスをおろそかにしてしまったがゆえに、内容の善し悪し以前に、そもそもプレゼンの内容が伝わっていなかったという事態が発生することになります。

プレゼンのフェーズによって変わる条件の設定方法とは?

通常、プレゼンには多かれ少なかれフェーズがあります。

第一フェーズは、顔合わせ、サービスの概要を伝える段階。

第二フェーズは、お客様のご要望を組み入れカスタマイズする段階。

第三フェーズは、生き残った同業他社との決勝戦。

など。

どのフェーズのプレゼンであるかによって条件の設定方法が変わってきます。

第一フェーズでは、プレゼン相手のホームページなどから事前に得られる情報や過去の経験などによって設定します。

設定のコツとしては、デモグラフィック的な属性(30代、会社員、男性など)よりも、「そういう人いるよね」と感じられる人を定性的に想定した方が、イメージの幅をもたせることにつながります。

例)
自分で使う資料ならつくれるが、そのつくり方を部下にレクしなければならなくなった人 など

ピンポイントすぎると想定が外れた時のリスクが大きくなってしまいます。

第二フェーズ以降は、それ以前のフェーズで得られたお客様のフィードバックの中から何に焦点をあてるかが選択の余地となります。

お客様は何を重視しているのか?

コスト、品質、リスク、柔軟性、見えない決定権者の意向など、プライオリティ順に5つ並べることも、ひとつの選択肢となります。

5つという数については、あくまで目安で絶対的なものではありません。

ただ、個人的な印象として、3つ以下だとありきたりな設定となってしまい差別化がしづらくなり、6つ以上だと狭すぎるまたは深すぎることで、発想しづらくなっていく印象です。

とにかく重要なことは「誰に」を想定しながらつくることですので、ご自身でやりやすい事前条件の数をみつけていただければと思います。