資料作成の無駄をなくし
パワーポイント作業を効率化するコツ
記事の内容
まずは資料作成にどのくらい時間がかかっているかを把握する
自分の仕事を振り返るとなんか資料ばっかりつくっているなと感じることはありませんか?
これ意味あるのかな?と感じる資料をつくらせる上司がいたり、エンジニアになったのにプログラムを書く時間よりも報告書をつくっている時間の方が長いかも?と思うことがあったり。そこでまずは、「資料作りに時間がかかっている」という漠然とした印象を、実際どのくらい時間がかかっているのか客観的に把握する手段をお伝えします。
1.まずはゼロベースで作成した資料のファイル(例:パワーポイントデータなど)を用意してください。
2.そのデータのアイコンを右クリックすると「プロパティ」という項目が選択できます。
3.プロパティを開くといくつかタブが表示されますので「詳細」をクリックします。
4.表示項目の中に「総編集時間」という項目があり時間が表示されているはずです。下の画像の場合は11時間31分ということになります。
この「総編集時間」がこの資料をつくるにあたって使った大まかな時間ということになります。
やべ!32時間もかかってる
う〜ん……205時間ですね
パワポと暮らしてんの?
これはファイルを編集した時間だけですから、この資料をつくるために調べものをした場合、表示されている時間以上に、資料作成に時間をかけていることになります。
そもそもパワーポイント資料は必要なのか?
パワーポイントを禁止した企業としてAmazonが有名ですが、Amazonの社内会議の資料は6枚以内+添付資料というルール
があります。
そして、6枚の資料は箇条書きではなく、物事のありさまを順を追って説明するナレーティブな文章で記述することが求められます。
こうすることで、
・後で読み返した時に解釈の幅が広がってしまう(間違って伝わる)
・話を聞き終えるまで全体像を把握しにくい
・聞き手が受け身になってしまい議論を活発化させにくい
・要点が強調されることでなんとなく分かったような気になってしまう
などの問題を解決することができます。
ド派手なアニメーションで
中身が無いことをごまかそうとするヤツいるよな
パワポを禁止する理由に「資料作成時間を削減する」ということがよくあげられますが、これは必ずしも正しくありません。
なぜなら、社内資料で多く見られる箇条書きや図表だけが並ぶパワーポイント資料の方が、早く簡単につくることができるからです。
想像してみていただければ分かるように、もし仮にAmazonのように長文を中心とした資料だけで理解してもらおうとした場合、その組み立てや一言一句の表現を、今まで以上に推敲する必要がでてきますので、資料ができあがるまで逆に多くの時間がかかることになる可能性が高いです。
そもそも、会議などでより良い集合知を創造するためには、参加者全員の能力が一定以上あることが求められます(参加者の能力がバラバラの場合、能力の低い方に引きずられてしまう)。
そういった意味でAmazonの場合、読解力や文章作成能力などを試す入社試験をパスしてきた人たちだけで行う社内の会議だからこそ、実現可能なやり方であるともいえます。
つくる人も読む人も
曖昧にできなくなるってことかな
資料作りに3つのパターンをもつ
そんなAmazonでも社外資料についてはパワーポイントの使用を禁止していません。
なぜなら、パワーポイントなら要点を素早く伝え、イメージで訴求することが可能になるからです
。
というよりも、社外に対してはそうする必要があるということだと思います。
なんとなくでも分かった気にさせた方がいいもんな
ただ、パワーポイント資料の場合、文章を中心とした資料に比べ、レイアウトなどのデザイン要素を考慮する必要がありますので、より作成に時間を要することは間違いありません。
そこで資料作りにパターンをもつことが必要になります。一般的に資料作りにパターンをもっている人は少なく、どのような用途でも一通りのやり方でつくっている人が多い
と思いますが、社内や社外など状況にあわせて資料のつくり方を変えます。
具体的には社内資料を『見てもらう』資料と『読んでもらう』資料の2種類に、そして社外資料と計3パターンの方法で作成していきます。
社内向けは『読んでもらう』資料と『見てもらう』資料に分ける
まずは社内向けの『読んでもらう資料』について
ですが、これはAmazonの例で示したとおり文章を中心とした資料を作成していきます。
読んでもらう資料をつくるのであればワードのようなソフトを使うのが適切かと思います。
なんで?パワーポイントでも長文を入力できるじゃん
たしかにそうなのですが、ワードの場合は普通に入力していけば(左上から右下に向かって入力していけば)自然に読みやすい資料になりますが、パワーポイントの場合はレイアウトをする必要が生じますので、ひと手間加わることになってしまいます。
テキストを読みやすいようにレイアウトすることをデザイン用語で「組版」といいますが、これを行うには特殊なスキルや知識が必要で、デザイナーを名乗っている人たちでもやったことが無い人が多いと思います。
つまり、パワーポイントで読みやすいように長文を配置することはかなり難しいということになります。
読んでもらう資料をつくる場合のもう一つの注意点は、自分の文章作成能力と、相手の読解力が噛み合わないと理解を促すのが難しくなるということです。
つまり、資料を作る側、受け取る側、双方の能力に対して信頼関係が必要になるということです。
そもそも報告書程度の話であるならば、社内Chatやメールで済む話なのに、それとは別に報告書を必要としている時点で、この方法を用いるのが難しいことを意味しています。
信頼関係がないから別途報告書ってことになるのかな?
つぎに社内向けの『見てもらう資料』について
ですが、これは画面を共有するなどして資料を見てもらいながら、自分で説明することが前提の資料となります。
この場合の資料はパワーポイントを使って、箇条書きとデータなどの図表のみで資料を構成していきます。
この資料を作る時のポイントは、熟読しなければ理解できない長文は使わずに資料を構成していくことです。
箇条書きと図表のみとすることで、資料作成の効率化を図ります。
長文があると結局、読まなきゃ理解できなくなるからな
社内向けの2つの資料(読んでもらう資料と見てもらう資料)双方に共通する作成時のポイントは、極力デザイン要素を排除してつくるルールを徹底することです。
社内資料をデザインによって分かりやすくすることは、内容に対する本質的な理解を邪魔し、活発的な議論の妨げになる可能性が高まります。
また、作成時にデザイン要素に気をとられることで、内容そのものを吟味する時間が削られることになってしまいます。
資料づくりばかりになってしまう原因は上司の責任?
DXの推進により社内資料を作る機会が、以前に比べ減っている会社も多いと思います。
しかし、そうはいっても多くのビジネスパーソンにとって、資料作成は多くのリソースを費やす業務であることに違いはありません。
詳細は下記の記事をご覧いただければと思いますが、資料づくりを効率化させるためには、上司との相性が欠かせません。
つまり、作成した資料をチェックする上司の協力がなければ、無駄な作業を強いられ続けることになってしまいます。
1日の中で多くの時間を費やす資料作成業務だからこそ、どのようなルールや環境で行うかを、組織全体で入念に検討する必要があります。
自分だけではどうすることもできないことが多いしね
外注せず社内で作る方が本当にコストが安いのか?
最後に社外向けの資料について
ですが、これはパワーポイントなどのプレゼンテーションソフトを使って制作していきます。
昨今のコンテンツ需要としてYouTubeやInstagramを例にあげるまでもなく、文字コンテンツよりもビジュアル化したコンテンツが求められているのは周知のとおりです。
字読むのめんどいからな
では、そのためにデザインされた資料を社内で制作していくべきなのでしょうか?
例えば、パンフレットやホームページを自社だけで制作している会社は少ないと思いますが、同じ社外向けの資料である提案資料については、一切、外注化せずに自社だけで制作している会社が多いと思います。
たしかに社内で制作することによって外注コストは発生しませんが、そうすることによって見えないコストが発生しているのもまた事実
ではないかと思います。
たとえば、
・伝えられることが伝わらないコスト(機会損失)
・もっと時間を割くべきところに注力できないコスト
・自社のリソースを非効率的な部分(デザインなど)に拘束してしまうコスト
などがあげられます。つまり、社外向けの資料を自社で中途半端につくり続けることが、最も高コストであるといえます。
伝わる資料には「型」があります。
それを日々研究し、実践している会社に依頼することが、結果的に大きなコストの削減につながります。