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部下の資料を添削する際に
チェックすべき5つのポイント

添削すべき5つのポイントとアドバイス例

資料作成代行サービスを10年以上行ってきた弊社が考える、部下から提出されたプレゼン資料を添削するうえでチェックすべきポイントを5つご紹介します。

1.資料を見る人を想定できているか?

2.ページあたりの情報量が多すぎないか?

3.主張が明確か?

4.情報の羅列になっていないか?

5.デザインに統一感があるか?

この5つが主に指摘すべきポイントとなります。

1.資料を見る人を想定できているか?

部下に対するアドバイス例

同じ内容でも誰に伝えるかによって伝え方が変わります。

例えば、資料を見る人は業界知識に詳しい人なのか、そうではないのか。

仮に詳しくないのであれば、専門用語の解説を随所でしていく必要があるし、詳しいのであれば専門用語をあえて説明することは蛇足になります。

つまり、誰に見せるかによって資料内で使える言葉や概念が変わることを意味します。

2.ページあたりの情報量が多すぎないか?

部下に対するアドバイス例

ページ内に情報が集中してしまうと、資料を見る人にとって他の情報がノイズになり認知するための負荷が増大してしまいます。

つまり、ゴチャゴチャしていて分かりにくい資料という印象を与えることになります。

この資料を作ったあなたならどこに何が書いてあって、どんな意味があるのかを当然理解していると思いますが、資料を見る人が同じように理解できるとは限りません。

3.主張が明確か?

部下に対するアドバイス例

結論が見えない資料は見る人のモチベーションを喪失させます。

過去に偉い人の挨拶やスピーチを聞く機会があったと思いますが、「楽しかったなぁ」という記憶よりも、「退屈だったなぁ」という記憶の方が多いのではないでしょうか。

資料も同様、部分を説明していった最後に全体像が見えるという構成よりも、早い段階で全体像(主張)を明確に示した方が、見る人をより惹きつけることができます。

4.情報の羅列になっていないか?

部下に対するアドバイス例

集めた食材をただ混ぜ合わせてもおいしい料理にならないように、伝えたいことをただ羅列しただけでは、伝わりやすい資料にはなりません。

「いざ都(1338)で室町幕府」などの年号の語呂合わせは、意味の無い数字(情報)の羅列に、ストーリーを与えることで記憶しやすくしています。

同じように素材(資料をつくるための資料)を集めたら、ただ羅列するのではなくそれらを繋ぐストーリーを構築する必要があります。

5.デザインに統一感があるか?

部下に対するアドバイス例

見た目が9割系の本が多数出版されているように、第一印象は人の認知に大きな影響を与えます。

資料のデザインに統一感がない場合、見る人の理解を妨げ情報の伝達効率を低下させます。

場合によっては会社のブランドイメージが毀損することになり、資料の内容そのものに対する信頼を損なう可能性もあります。

何より内容を伝わりやすくするためにも、最低限「見やすい」という統一感が必要になります。

以上が、添削すべき5つのポイントとアドバイス例になります。

アドバイスに対して「では具体的にどうすれば?」の改善策については、下記の記事をご覧いただければと思います。

本当に部下は資料作成が下手なのか?

資料の作成代行を行う弊社には、「社内でつくらせても良くならないのでプロの方にお願いしようと思って……」というような、ご相談をいただくことが多々あります。

部下がつくった資料が「良くならない」「下手」ということは、「良い資料」「上手な資料」とはどういうものかというイメージをお持ちだからこそ、それとの差分が生じ、その差が社内では埋められないということなのだと思います。

では、上司であるご自身が「良い資料とは何か?」ということを、部下に対して明確に示しているでしょうか?

当然ながら、目標が定まらなければ現状との差がいつまでたっても分からないということになります。

部下の視点に立てば、

なぜ上司はそのような指摘をしてくるのか?

そもそもなぜ資料をつくる必要があるのか?

など、

修正する意味や、そもそも資料をつくる目的を理解できないまま、ただ闇雲に言われた事をこなす状態になってしまいます。

そういった部下に対して「指摘した修正しかしてこない」「資料づくりが下手な部下」という印象をもってしまいがちです。

特に「自分の価値観に合わない資料=下手」と解釈しているのであれば注意が必要です。

若年層になるほど価値観が相対的に変化しているのは周知の事実です。

巷間言われているように現代のリーダーは、自分の価値観を部下に押しつけるのではなく、部下の価値観を一旦は受け入れるという姿勢が重要になります。

それにも関わらず価値観のすりあわせを行わないまま仕事を進めてしまうと、部下との間にハレーションを起こす結果につながってしまいます。

このような問題を回避するためにも先述した5つのポイントなどを事前に示し、「良い資料とは何か?」についてコンセンサスを得るところからはじめる必要があります。

指示通りやれって言えばいんだよ

そんこと言ったら昭和の遺物認定されちゃいますよ

指摘する内容に一貫性をもたせる

人材マネジメントにおいて重要とされることに『適応性』と『一貫性』があります。

部下は「なぜ今、必要なのか」が理解でき、「何のためにやらされているのか」が分かれば、モチベーションを高めて仕事を行うことができます。

資料を添削するうえで特に重要なのが一貫性です。

指摘する内容に一貫性がなければ「上司の思いつきで振り回されている」という感覚に陥り、モチベーションの低下につながってしまいます。

後出しされるのが一番、下がるよね

部下に正当な指摘であると思わせるためには、上司自身がどのような資料をゴールとして想定しているのかを、始めから終わりまで首尾一貫して伝えていく必要があります。

そのために、上記でご紹介した5つのポイントのように「添削する基準」を自分の中で決めて、それを部下に示していくことが重要です。

こうすることで、あの上司は必ずこの部分を指摘してくるという評判ができあがり、それを聞いた部下が事前に対策してくるようになります。

それに対して、指摘するポイントが毎回思いつきのように異なれば、聞いてみなければ分からないということになり、都度、添削する手間が生じます。

事前に説明するのは手間がかかる?

っていっても事前に説明するよりも
出てきたものに修正指示を入れる方が楽なんだよな

それに関しては、事前のコストと事後のコストを天秤にかけて、後者の方が小さいということであれば、その選択も有効だと思います。

ちなみに事後のコストとして考えられるものをピックアップすると、

・逐一指摘する手間が発生

・互いに不信感が増大し部下との関係が悪化

・部下のモチベーションが低下

・任せられないことによる自身の負担増

・部下の成長鈍化による組織力の低下

などがあげられます。

後々まで引きずる感じね

マイクロマネジメント(細かく指示を与える状態)に陥ると、部下の自己決定感が阻害されることになり、ますますやる気を奪うことにつながってしまいます。

このような点を考慮すると、ご紹介した5つのポイントなどの枠組みを作成前に示し、その中に収まるようであれば部下の裁量にまかせるというスタンスの方が、両者にとってポジティブな状況を作り出すことが可能になります。

資料のデザインはどのように添削すれば良いのか?

はじめにご紹介した『添削すべき5つのポイント』について研修などを通じて説明させていただくと、1~4はともかく「デザインをどのように添削すればいいのか?」とのご質問をよくいただきます。

その理由をお伺いすると、上司である自分自身がデザイナーではないし、知っているデザイン知識も聞きかじりのものが多く、具体的にうまく伝えられないというようなお話をいただきます。

結局、自分の主観で良い悪いってなっちゃうんだよな

たしかにそのとおりですね。

誰もが納得する絶対的に良いデザインというものは存在しないため、どうしても相対的な判断になってしまい、伝え方が曖昧になりがちです。

しかし、一般的な資料のデザインに限っていえば絶対的な判断基準が存在します。

それは、『見やすい』ことです。

それって当たり前すぎない?

そうなんですが、その当たり前を実践できていない資料が多いのも事実です。

例えば、次のスライドをご覧ください。



このスライドは見やすさよりも、伝えたいことを優先してつくられたスライドです。

伝えたいことを入れていった結果、こうなりました的なやつね

そして、少しでも見やすくするために色で強調したり、画像やグラフを挿入していますが、逆に見づらくなってしまっています。

つまり、見やすい資料をつくるという『当たり前』が、プライオリティとして下位に位置づけられ、蔑ろにされた資料といえます。

先ほど、デザインを添削するのが難しいというお悩みをいただくことをご紹介しましたが、その原因の多くは、添削者である上司自身がデザインをより複雑なものと認識し、ハードルを上げてしまっている可能性が高いと思われます。

一般的な資料は別に、スタイリッシュである必要はないですし、シンプルで洗練された印象を与える必要も、モダンで高級感のある印象に仕上げる必要もありません。

それらはあくまで、そうであれば望ましいプラスαの要件であり、一般的な資料に求められるデザインの必要最低要件は『見やすいこと』ただそれだけです。

そして、見やすいデザインにするという一貫性のある添削基準を設定すれば、指摘すべきポイントが明らかになります。

見やすければそれだけで統一感が感じられるしね

見やすいデザインにするために添削すべきポイントとは?

資料を見やすいデザインにするためにチェックすべきポイントは、次の3つです。

1.記載されている長文は資料を見る人にとって必要なものか?

2.あえて記載する必要の無い情報がないか?

3.各スライド内に十分なスペースが確保されているか?

詳細は下記の記事をご覧いただければと思いますが、資料を見やすくするためには、適切なスペースを確保していく必要があります。

そして、適切なスペースを確保することは、デザイン的なメリットをもたらすだけではなく、資料を見る人の理解度を高める効果も得られます。

実際の添削事例は下記の記事をご確認ください。

ストレスを抱えてまで資料作成を部下に任せるべきなのか?

さて、ここまでは「プレゼン資料の添削すべきポイント」についてご説明させていただきましたが、そもそも管理者の立場にあるご自身がストレスを抱えてまで、部下に資料作成を依頼すべきなのでしょうか?

結局、手間が増えるだけだけど……

でも、任せられるようにならないと
自分がパンクしちゃうし

たしかに、部下に任せることの重要性を説くリーダー論は多数存在します。

その他にも、

・できるリーダーはトップダウンではなくボトムアップ

・自分の価値観ではなく部下の価値観を尊重する

・部下を主体的にさせるのはリーダーの役割

などのような形で、リーダーのあるべき姿が語られることが多いです。

しかし、それらの言説を聞いた多くのリーダーの頭に思い浮かぶものは、次の言葉ではないでしょうか?

そんなことをしていたら仕事が回らなくなる

実際、学校法人産業能率大学総合研究所の調査によると「管理職の96.9%がプレイヤーとしての業務を兼務している」とのこと。

そして、そのうちプレーヤー業務が占める割合は4割以上であるとのこと。

つまり、部下に関わる時間が増えれば増えるほど自分のプレーヤーとしての業務をこなす時間が削られていく、ゼロサムゲームの状態になっているといえます。

また、この調査結果は上場企業の部長を対象としたものです。

これが何を意味しているかといえば、比較的人的リソースが豊富な上場企業ですら、このような状態になっているということです。

これが仮に中小企業でマネジメントを担う人ならば、その負担がより多いことは想像に難くないでしょう。

プレーヤー業務10割+マネジメント業務10割って感じだな

はじめの質問に戻りますが、このような状況下で多くの時間を費やすことになる資料作成業務を部下に任せるべきなのでしょうか?

しかも「残業を減らさなければならない」というおまけ付きの状況で業務を遂行しなければなりません。

無理ゲー感が漂ってきた

管理者の負担を減らす唯一の手段とは?

ここからはポジショントークになってしまいますが、この問題を解決する一番の近道は資料作成業務を外注化することです。

それ以外にこの問題を解決する方法は、少なくとも直近では存在しないのではないかと思います。

DXは?

もちろん、生成AIなどの活用して業務を変革している会社も少なくないと思います。

しかし、利用している会社ならばなおさら感じていると思いますが「結局、人の手間は無くならない」という現実があるのではないでしょうか。

つまり、DX(デジタルトランスフォーメーション)で従来の業務は削減できたけど、新しい業務が増えたという状態になっているのではないかと思います。

たとえば、アメリカ軍はドローンを導入することにより、それまでパイロットが行っていた偵察業務を削減することができました。

しかし、ドローンを飛ばすためにそれをコントロールする人、メンテナンスする人、データの分析する人などを新たに育てる必要に迫られました。

偵察用のドローンを一機、飛ばすために80人が従事しているともいわれています。

この例からも明らかなように「人を採用して戦力化」するというマネジメント業務は、DXが進む現状でもあまり変わりません。

育てる能力の方向性が変るだけね

DXは導入するまで、また導入してからも、従来とは異なる負担が増えることになります。

そもそもDXはまだまだ発展途上であり、導入すればすべての問題を即解決できるという代物ではありません。

そういった意味で、直近では資料の外注化が管理職の負担を軽減する唯一の手段ということになります。

外注化することは部下の成長を促進する

でも外注化したら部下の資料作成能力が上がらないよな

本当にそうでしょうか?

私たちのような資料作成代行会社は資料作成を効率化するノウハウをもっており、それを活用してサービスを提供しております。

弊社の場合でいえば14年以上のサービス提供実績があり、そのノウハウを育ててきたことになります。

そして、部下の方々は外注化を通じてそのようなノウハウに接する機会を得ます。

そうすることで現在、管理職の方々が行っている「部下に資料の作成方法を教える」という業務の一部を、外注先に肩代わりさせることが可能になります。

また、先ほどご紹介した同じ調査で、管理職が多くの時間を割いている業務は何かと尋ねたところ23.1%が「資料作成」と回答しました。

つまり、管理者自身が資料作成に多くの時間を浪費しているということになります。

資料作成を外注化することは部下の教育だけではなく、管理者自身の時間的余裕を生み出すことにもつながります。

そして、それによって生まれた余裕を部下とのコミュニケーションに費やすことで、部下の成長をより促していくことが可能になります。

なんか良いことばっかりね

部下の成長を促すためにまずは管理者の負担軽減から着手する

「部下がなかなか育たない」という悩みは、多くの管理者が抱える一番の問題といえます。

その原因の多くは、管理者が自分のプレーヤー業務に忙殺され、部下ために時間を割くことができないことに帰因します。

この問題を解消するためには、多くの時間を費やしている資料作成業務を外注化することで、管理者の負担を軽減するところから始める必要があります。

部下が勝手に成長してくれるのを
期待するわけにいかないからな

特に、営業資料などの対外的な資料を作成する場合はなおさら外注化することをオススメいたします。

なぜなら、資料の出来不出来が売上に直結するだけではなく、間接的なコストを削減することにもつながるからです。

自社で資料を作成する間接的なコスト?

たしかに自社で作成することができれば外注費などの直接的なコストは発生しません。

ただ、部下に作成を依頼して仮に拙い資料ができあがった場合、

○修正に要するコスト

○管理者が自分のプレーヤー業務に集中できないコスト

○認識の不一致によって部下との信頼関係が毀損するコスト

○デザインなど本来業務とは異なる部分に浪費するコスト

○伝えられるものが伝わらないコスト

などような、間接的なコストが発生することになります。

自社で作る方がある意味コスト高かもな

コンプライアンス対応やメンタルヘルスマネジメントなど、過去には存在しなかった業務が増えることによって、現在のマネジメントを担う人たちはとにかく多忙です。

いうまでもなく、平成の頃のように「あなたの代わりはいくらでもいる」を決め台詞に、上から目線で指示を出していればなんでも事が運ぶ時代ではありません。

募集してもなかなか人が集まらない現在において、新人に対して腫れ物に触るように接する管理者も多いのではないでしょうか。

しかし、そのような状況下で自分の業務をこなしつつマネジメント業務も行う管理者自身が最も替えがきかない人材といえます。

その人たちの負担を少しでも減らす手段があるのであれば、それを試すのが会社の責務となります。