

AIが分析してくれる
無料ツールNotebookLMとは?

記事の内容
GoogleのAIツール『NotebookLM』とは?
NotebookLMとは何かを、仮に一言で表現すると「自分でアップロードしたデータを情報ソースとしてその内容をAIが理解し、整理や分析などをしてくれるツール」ということができるかと思います。
ぜんぜん分かんね
ですよね。
百聞は一見にしかずということで早速、使ってみましょう。
まずは試しに下記のPDFファイルをソースとしてアップロードします。

するとこのような画面が表示されます。

いきなり資料の要約が翻訳して表示されてる

そうですね。
その他にも資料の内容をマインドマップにして表現してくれたり、

資料の内容をディスカッション形式で説明してくれる音声も生成することができます。
アップロードできるファイルはPDFだけではなく、テキストデータや音声データ、Googleドライブに保存されている『ドキュメント』や『スライド』などもソースとして利用できます。

また、WEBサイトのURLやYouTubeのURLをアップすることでそのページや動画の内容もソースにすることができます。
つまりYouTube動画の内容を
テキストで要約できたりするってこと?
そういうことです。
NotebookLMとは「自分でアップロードしたデータを情報ソースとしてその内容をAIが理解し、整理や分析などをしてくれるツール」
ということがイメージしていただけたところで、何ができるのかより具体的に解説させていただきます。
NotebookLMの基本的な使い方
細かいカスタマイズも含めれば多岐にわたる機能を有するNotebookLMですので、その中から主要なものを紹介させていただきます。
NotebookLMにアクセスしてソースをアップロード
まずはNotebookLMにアクセスして、Googleアカウントでログインしてください。
次に調べたいデータをアップロードします。
アップロードできるデータ種類については先述しているとおりです。
知りたい内容をピンポイントで質問
アップしたデータの中に自分が探している知りたい情報があるかなどを、チャット形式でAIに質問することができます。


メモを追加

NotebookLMを使って得られた情報をもとに、思いついたアイデアや自分の考えなどをWordを使う感覚でまとめていくことができます。

音声概要

アップしたソースの内容を音声化することで、移動中や隙間時間に資料の内容をインプットすることができます。
また、単なるテキストの読み上げではなく、2人のAIが対話形式で要点や背景を解説してくれる
ため、より聞きやすく、理解しやすい工夫がなされています。
マインドマップ

アップしたソースの内容をマインドマップを使って視覚的に表現することができます。

学習ガイド

たとえば、ソースの内容をつかってQ&Aを作成してくれたり、キーワードを抽出して解説してくれるなど、ソースの内容を把握しやすくするための情報を生成することができます。

ブリーフィング・ドキュメント

報告書形式でソースの要点や概要を簡潔にまとめることができます。

よくある質問

ソースの内容に基づき、よくある質問とその回答を生成します。

タイムライン

たとえば、プロジェクトの計画書など登場人物や出来事などを時系列で抽出し、それをタイムライン形式でまとめて表示する機能です。
また、音声や動画の内容がどのように進行していくかや、その中ででてくる登場人物の役割なども把握することができます。

効率的に資料の内容を把握したい時とかに便利かもね
単純に膨大な資料を読み込むのが面倒な時とかな
ほとんどの機能がボタンを押すだけでできてしまうので、手間はほとんどかかりません。
おっしゃるとおり、とりあえずNotebookLMにアップして要点を絞り込むことでインプットの効率を格段に高めることができます。
NotebookLMと他のAIツールとの違い
生成AIを使うにあたって特に注意しなければならないポイントは「ハルシネーション」です。
つまり、事実に基づかない回答を生成してしまう
ということ。
生成AIもたまには間違えるってことだな
それに対して、NotebookLMならアップした情報ソースにそって忠実に回答してくれるのでハルシネーションが発生する可能性が極めて低くなります。
この「アップした情報ソースにそって忠実に回答してくれる」ことを「グラウンディング(Grounding)」
といいますが、これがNotebookLMの大きな特徴といえます。
NotebookLMの回答なら信用できるってことね
そういうわけではありません。
「アップした情報ソースにそって忠実に回答してくれる」ということはアップするソースの信用や精度が重要ということを意味します。
つまり、元が間違っていれば間違った回答を生成するということです。
たとえば、アドレナリンに関する間違った情報をソースとしてアップして、次のように質問をすると、間違った回答が生成されました。

ご存じのとおり、アドレナリンは興奮反応を引き起こすホルモンですので、鎮静効果とは真逆です。
このことからも明らかなように、NotebookLMの回答は外部情報を参照せず、ソースに誤りがあったとしても訂正してもらえない
ことを前提で利用する必要があります。
また、仮にソースの情報が正確であったとしても、質問の仕方などによっては誤解釈が生まれる可能性もあります。
やっぱり最後は人の目が必要ってことだな
NotebookLMの応用的な使い方
これまで話を簡略化するために、ひとつのソースを分析すると仮定してご紹介してきましたが、ひとつのノートブックにアップできるソースの数はpro版(有料)なら300、ノーマル版(無料)なら50となっています。
つまり、複数のソースを横断的に参照して分析できる
ということです。
最大300種類のソースを使って
回答や分析をしてくれるってこと?
そういうことです。
単語数(最大 500,000 語)などソース当たりの上限が設定されていますが、それでも多岐にわたる情報を一元的にAIに分析させることができるということになります。
これにより、個別の資料からは見えなかった関連性やトレンド、矛盾などを発見し、より深く多角的な洞察を引き出すことが期待できます。
では、複数のソースを使うとどのようなことができるのか応用例をいくつかご紹介させていただきます。
複数の報告書をまとめて分析
【アップするソース】
すべての報告書
【AIへの依頼例(プロンプト例)】
「各報告書をそれぞれ要約して」
「AさんとBさんの報告書を比較して共通の問題点を抽出して」
「売上の進捗が計画より遅れている人とその原因は?」
このように複数の報告書をAIに俯瞰してもらうことで、全体像を把握することが容易になり、課題特定やリスク管理なども行うことができます。
自社のマーケティング分析
【アップするソース】
・ランディングページのURL
・提案資料
・パンフレット
【AIへの依頼例(プロンプト例)】
「各ツールの一貫性について分析して」
「見込み顧客のペルソナを描写して」
「LPのコンバージョンを高めるための改善点を提案して」
このように自社のクリエイティブを横断的に分析することで、全体の一貫性や必要な情報が適切なタイミングで提供されているかなど、個々を分析するだけでは気がつきにくい内容を把握できるようになります。
新規採用者の教育
【アップするソース】
・就業規則
・業務マニュアル
・福利厚生ガイド
・社内システム利用ガイド
・成功事例集
・よくある質問
【AIへの依頼例(プロンプト例)】
「経費精算のやり方は?」
「社内システムの基本的な使い方を教えて」
「社内でよく使われる専門用語や略語は?」
このように新規採用者が必要とする情報をすべてアップしておくことで、新規採用者の疑問に対してNotebookLMが教育担当者に代わって回答します。
複数の資料を横断的にってところがポイントね
それによって色んな可能性が広がるな
NotebookLMにアップする情報のセキュリティについて
NotebookLMができることと、その可能性が把握できたところで、次に気になることは「アップする情報のセキュリティはどのように守られるのか」ということではないでしょうか。
まーね
機密情報とかアップしても大丈夫なんかな
まず、公式のアナウンスから確認してみましょう。
NotebookLMのトップページに下記の記述があります。

次に、NotebookLMのヘルプページに下記の記述があります。

まとめると、
・アップロードしたソース、クエリ、モデルからの回答をトレーニングに使用することはない
・個人の Google アカウントでログインしてフィードバックを送信した場合、人間のレビュアーが確認する場合がある
・Google Workspace または Google Workspace for Education を利用している場合、人間のレビュアーが確認することもない
ということになるかと思います。
記載しているとおりならば、よほどの機密情報ではない限りアップしても問題ないといえるのではないでしょうか。
あらめて利用規約などを確認のうえ、ご自身にあった方法でご利用いただければと思います。
情報ソースを集めるところから始める必要がある場合
つってもなー、情報ソースそのものがねんだよな
何から調べるべきかを決めなきゃいけない段階ってあるよね
そういった場合は、「Deep Research」の活用をおすすめします。
Deep Researchを使えばAIが自律的にインターネット上の情報を幅広く検索・分析して、構造化された詳細なレポートを生成してくれます。
その時に、どこのサイトの情報を参考にしたかソースが示されますので、それを深掘りする形でNotebookLMを活用するという手段もあります。
Deep Researchでソースを集めて
NotebookLMで深掘りする
Deep Researchの使い方については下記の記事でご紹介しておりますのでご確認ください。