プレゼン資料のつくり方⑥
タイトルと結論をコンテンツでつなぐ
30秒のパワポ動画で記事を要約
伝えた言葉は受け取った相手によって意味が変わる
突然ですが、私が「スマホの充電が十分ある」と言った場合、バッテリーの容量は何パーセントくらいあると思いますか?
私は90%くらいないと不安だな
俺は40%もあれば1日もつね
友達少ないからじゃないですか?
ち、違うよ。俺のスマホはバッテリー性能が優れてるんだ
このように「スマホの充電が十分ある」というごくありふれた表現ですら、受け手によって解釈が変わることになります。
例えばこれが、
・DXを推進していくことでコストダウンを実現します。
とか、
・機械学習を導入し業務効率を改善します。
とか、
・ベネフィットを訴求するためにはエビデンスが必要です。
などの表現ではなおさらです。
間違いなく伝え手と受け手の間で認識の乖離が生じます。
つまり言葉が伝わっても、伝えたい内容が伝っているとは限らない
ということになります。
このことからプレレゼン資料のつくり方⑤各スライドの結論を決めるでもお伝えしましたが、プレゼンにおいては意図したように伝わらないことを前提に伝えていく必要があります。
では100%は無理でも、少しでもこちらが意図したように伝える方法はないのでしょうか?
それが、タイトルと結論をつなぐコンテンツの役割になります。
いくつか例示させていただきます。
江戸時代の小話に「風が吹けば桶屋が儲かる」という一節があります。言葉としては有名ですが、なぜそうなるかを説明できる人は以外に少ないのではないでしょうか?
大まかな流れは下記のようになるかと思います。
こういう流れだったのね
このように示されれば、結論に納得できるかどうかは別としても、どういう意図で言っているのかは理解できる
かと思います。
例をもうひとつ。
先のバッテリーのお話について、私が「言葉は伝わっても、伝えたい内容が伝わっているとは限らないです」とお伝えしても、言葉の意味は理解できますが、それをどういう意図で言っているのか理解するのは容易ではありません。
それに対して次のスライドはどうでしょうか?
このように表現することによって、伝え手(私)の意図がより明確に感じられるのではないでしょうか?
これらのように、タイトルと結論をつなぐコンテンツを挿入することで、より伝わりやすいプレゼン資料を作成することが可能になります。
スマホの話って、初めから○%あるって言えば済むんじゃね?
たしかにそのとおりですね。
でも「はじめから言ってよ」って思うこと、仕事でもプライベートでも結構多くないでしょうか?
また、自分が常に正確に表現している自信はありますか?
表現には必ず「省略」が伴いますので、誤解を生まないために自分がどのようなニュアンスで伝えているのかをより具体的に表現していくことが重要です。
あいだをつなぐコンテンツをビジュアル化する必要性
タイトルと結論をつなぐコンテンツによって、プレゼンする側の意図を極力正確に伝えるというお話をさせていただきましたが、そのコンテンツはできるだけビジュアル化されていることが望ましい
です。
次のスライドをご覧ください。
先ほどお示した「風が吹けば桶屋が儲かる」の流れを、文章で表現したものになります。
たしかにさっきのスライドの方がわかりやすかったかな
表現としてはより正確になっていますので、文章で表現する方が曖昧さが少なくなるというメリットがありますが、コーハイさんがいうように、ビジュアル化されたスライドに比べ理解しづらくなった印象があります。
その原因を推測すると人類の歴史だけを数えても700万年以上あるとされ、それに対して文字が誕生したのは紀元前3000年とも6000年ともいわれています。
このことから、歴史の99%以上は文字が存在しなかったということであり、人類はそのほとんどの時間を文字以外の方法で情報をインプットしてきた
ということになります。
つまり、脳は文字を処理することに相対的に慣れていないということになります。
そのためパワーポイントの図解パターンなどを利用して、文章の図解を試みることが重要となります。