文字だらけのパワーポイント資料の
デザインを改善する方法とは?
記事の内容
スライド資料はできるだけ長文を使わずにつくることが基本
現代のビジネスパーソンの誰もが「できるだけ資料は読みたくない」と思っています。
仕事でもプライベートでもやるべきことが多く、いま抱えているタスクですら十分に時間を割くことができていません。
たしかに時間があったら他にやりたいことが沢山ありすぎる
そのため、情報のインプットは極力効率的に行いたいと誰もが考えています。
実際、私たちの多くは数百〜数千字あるネット上の記事を、たった15文字〜30文字くらいのタイトルだけを見て、読むかどうかを判断しています。
これと同じように、どんなに一生懸命つくった資料でも、よほどの理由がない限りそこに記載された長文が一言一句、正確に読まれることはありません。
現代人が情報をインプットする時は多くの場合、次の4段階モデルで行われます。
第1段階の「ぱっと見」は、無意識レベルで自分に必要かどうか判断する段階。
第2段階の「流し見」は、資料をパラパラめくって気になるところを見つける段階。
第3段階の「拾い読み」は、流し見で気になった部分の文章を大まかに読んでみる段階。
第4段階の「通読」は、拾い読みするポイントが多い場合に資料全体にひととおり目を通す段階。
5段階目に「精読(細かいところまで、ていねいに読むこと)」を設定することも可能ですが、そこまで至る資料は一言一句で意味が変わる契約書など特殊な場合に限られます。
そのため、一般的な資料に限っていえば4段階としておけば問題ないかと思います。
通読までする資料の方が圧倒的に少ないな
普段は拾い読みくらいで済ませることが多いかもね
おっしゃるとおりで、資料は「読まれる」のではなく「見られる」場合が圧倒的に多い
ため、長文を記載する意味がほとんどの場合でありません。
スライド資料内の長文は基本的に読んでもらえないという認識で資料をつくることが重要となります。
そして、どうせ読んでもらえないのであれば、できるだけ長文を使わずに資料をつくっていくという視点も必要になってきます。
長文が無くなるだけで資料が見やすくなるからな
特に、説明を補助するためのツールである「プレゼン資料」においては、スライド内に長文がある意味がまったくと言っていいほどありません。
プレゼン資料の場合、説明は口頭で行いスライドは見てもらうことがメインとなりますので、上記の画像のように余計な要素は極力そぎ落としてスライドを構成していく必要があります。
そもそも長文があってもスクリーン上だと読みにくいしね
なぜ文章だらけのパワーポイント資料になってしまうのか?
ではなぜ、資料を見る人に必要とされていない場合が多いにも関わらず、長文だらけのパワーポイント資料がつくられるのでしょうか。
その主な理由は、資料を「見る人の都合」ではなく「つくる人の都合」によって資料がつくられている
からです。
資料をつくる人の都合?
例えば、
・長文が無いと資料がスカスカでなんかカッコ悪い
・図解を作成するのが面倒
・資料内に長文がないと自分が読み上げられない(説明できない)
などがあります。
説明したいことをそのまま文章で
書き起こしているイメージだな
そのとおりです。
長文はスライド内で極力使うべきではないという認識をもって資料をつくっている人がそもそも少ないです。
そのため、長文をベースとしたスライドが結果的に作成されていくことになります。
この問題を回避するために、スライド内に長文を記載する際はその役割を十分に検討
する必要があります。
資料を見る人にとって必要なものであれば記載すべきですし、そうでないのであれば削除すべきです。
長文でなければ説明できないのであればWordでつくる
でも、長文でしか説明できない内容もあるよね?
もちろんです。
その場合は、『PowerPoint』などのスライド作成ツールを使うのではなく『Word』などを使って資料をつくることをオススメします。
なんで?パワポでも長文を入力できるっしょ
たしかにそうなのですが、ワードの場合は普通に入力していけば(左上から右下に向かって入力していけば)自然に読みやすい資料になります。
しかし、パワーポイントの場合はレイアウトをする必要が生じますので、ひと手間加わることになります。
テキストを読みやすいようにレイアウトすることをデザイン用語で「組版」といいますが、これを行うには特殊なスキルや知識が必要となります。
つまり、文章だらけのパワーポイントを読みやすいようにデザインすることは難しい
ということになります。
長文を読まなければ理解できない資料の場合、相手の負荷を高めることにつながります。
そのため、必要性の検討や資料を渡す前の段取りを十分に行ったうえで作成する必要があります。
見やすいスライド資料をデザインするための方法
次のような見づらいスライドをどのように変更すれば、見やすいスライドになるのか。
その具体的な手順を下記の記事で紹介しておりますので、資料作りの参考にしてみてください。
文字だらけの資料をそのままデザインしようとしない
弊社で実施させていただく資料作成研修の中でよくいただくご質問の中に、「文字だらけの資料をどのようにデザインすれば良いか?」というようなご質問をいただくことがあります。
それに対して「そもそも文字だらけの資料をそのままデザインしようとすべきではない」と回答
させていただいております。
散らかったリビングにあるモノを処分しないまま、スッキリ洗練されたリビングに変えることができないように、資料のデザインはデザインでだけで良くなる訳ではありません。
より見やすい資料にするためには、デザインでどうにかしようとする前に、原稿自体を整理する
ところからはじめる必要があります。
そもそも文字だらけの資料を求める人が少ないわけだし
デザインする前の原稿をどのように整理すべきか
原稿を整理するっていってもどうやんの?
資料作成が上手い人の特徴のひとつに「手順にこだわる」ということがあげられます。
一流のスポーツ選手の中にはルーティンにこだわる人が多いように、資料作成においても高いパフォーマンスを維持するためには、そこに至るプロセスにこだわる必要があります。
弊社では分かりやすいスライド資料をつくるための7つの手順をご紹介
しておりますので、それを参考にしていただくと原稿を整理する際のキッカケになるかと思います。