パワーポイント資料の表紙を作る際の
タイトルの付け方を実例解説
記事の内容
表紙タイトルの基本的な付け方とは?
表紙を構成する要素の中でも特に重要なタイトルの基本的な付け方について、4つのポイントをご紹介します。
・資料をつくり始める前に仮題を付ける
・文末は能動的な単語で終わる
・過不足が無いなら文字数にこだわらない
・15文字単位のサブタイトルを付ける
それぞれ具体例を交えながら詳細を説明していきます。
資料をつくり始める前に仮題を付ける
これはタイトルの付け方に直接関係する訳ではありませんが関連する内容としてピックアップさせていただきました。
なぜ「資料をつくり始める前」に仮題を付けるのが望ましいかというと、素材(資料をつくるための資料)を集める時に、ブレが少なくなる
からです。
例えば「時間かけて調べたけどこの資料使えないな」とか「関係がありそうだからグラフ化してみたけど入れるとこないな」など、資料を作成する過程で無駄な作業が生じた経験がある人も多いのではないでしょうか。
資料作成に限らず目的が定まらないと非効率になりやすいですので、仮題をつけることでそれを明確化します。
複数人で協力して資料をつくる場合も、仮題があった方が「何のために」が明確になりお願いもしやすくなります。
表紙とかタイトルって後回しにしがちだもんね
文末は能動的な単語で終わる
記憶に関する実験で有名なドイツの心理学者エビングハウスによって提唱された『親近効果(終末効果)』という概念があります。
複数のものを順番に提示する場合、最後に提示されたものの方が印象に残りやすくなるという心理効果です。
この効果を利用して、タイトルの最後には他者に働きかけることをイメージする能動的な単語を配置します。
なぜ能動的な単語にすべきかというと、作成者の意図が資料を見る人に伝わりやすくなる
からです。
例えば「○○に関する企画書」や「○○についての資料」とするよりも、「○○に関する企画のご提案」「○○のご紹介」とした方が、資料を見る人に対してどうしたいのかが明確になります。
たしかにビフォアだと企画したのは分かるけど
「それで?」ってなるな
過不足が無いなら文字数にこだわらない
タイトルの作り方でよく目にする方法として「短く、簡潔に」というものがあります。
その方が見やすく、見る人にとって負担が少ないということを意味しているのだと思いますが、「短く、簡潔に」することは手段であって目的ではありません。
「短く、簡潔に」することで資料の中身が想像しづらいタイトルになってしまうのであれば意味がありません。
本のタイトルや雑誌の見出しを見ればイメージしていただきやすいように、伝える内容に過不足がないのであれば文字数にこだわる必要はありません。
アフターの方が中身が気になるね
15文字単位でサブタイトルを付ける
ご存じの方も多いと思いますがYahoo!トップのトピックや、検索結果に表示されるテキスト広告などは、15文字を1単位として構成されています。
人が一度に知覚して理解できる文字数が最大15文字程度となり、これより極端に多かったり少なかったりすると意味を把握できなくなるため、エンゲージメント率(クリックなどのアクションを起こす割合)が低下します。
何より15文字単位の文章に日々接する機会が多いため、見慣れているともいえます。
この原理を利用し、15文字程度のサブタイトルを付けることで訴求力をより高めることが可能になります。
アフターの方が特徴が示された感じがするな
より良いタイトルを付けるポイント
基本的な表紙タイトルの付け方についてご紹介させていただきましたが、ここからはタイトルをより良くするための方法
をご紹介させていただきます。
これからご紹介する方法は表紙だけではなく、各スライドのタイトルやページ内の見出しにも応用可能な内容となっています。
タイトルをより良くする方法として、
・具体化する
・疑問形にする
・数字を挿入する
というものがあります。
例えば、パワーポイントでつくった会社案内などでよく目にするスライドタイトルの中に「会社概要」や「サービス紹介」など、抽象的な言葉でタイトルを付けている資料を多く見かけます。
こういったタイトルは汎用的であるため、資料をつくる側にとっては付けやすいタイトルであるといえます。
しかし、資料を見る側からすれば汎用的であるがゆえに、他との違いが分からず特別な興味を持ちにくいタイトル
であるといえます。
このような場合は、「具体化する」「疑問形にする」「数字の挿入」のどれか(または全部)でタイトルを変更できないかを検討します。
下記に具体的な変更例をいくつかご紹介します。
いかがでしょうか?
アフターのタイトルの方が興味がわくよね
単純に資料の中身が想像しやすくなるな
タイトルはコンテンツに対する「フリ」の役割を担いますので、しっかりしたフリを入れておくことで、コンテンツをより生かすことにもつながります。
タイトルに言葉のひっかかりをつくる
「手垢のついた言葉」という表現があります。
使い古されて、新鮮味がないといった意味になりますが、そういった言葉のみでタイトルを付けると、どうしても凡庸な印象を与えてしまい、読み流される可能性が高まってしまいます。
ここまでご紹介した方法でも、視線を集め興味を喚起するタイトルになるかと思いますが、より効果的なタイトルにするためには「言葉のひっかかりをつくる」という方法もあります。
言葉のひっかかり?
資料を見る人に「?」とか「!」のような違和感を感じさせるようなイメージ
です。
例えば、次のようなタイトルがあった場合、なにか違和感を感じませんか?
普通は「極力聞く」だよな
リーダーなら部下の話しをよく聞きなさいって言われるよね
その通りです。
世の中のリーダーは部下の話しにできるだけ耳を傾けることを推奨されているので、「極力聞かない」という部分に違和感を感じるはずです。
仮にこのタイトルが、
部下の主体性を引き出すチームマネジメントについて
であった場合、よく見聞きするタイトルなのでそれほど興味はそそられないのではないかと思います。
このようにタイトルに言葉のひっかかりをつくることで、資料を見るモチベーションをより高めることが可能になります。
ちなみに、「部下の話しを極力聞かないチームマネジメント」の主張は次のようなものになります。
パワーポイントでつくる表紙のデザイン例
下記の記事で凝ったデザインのものから、シンプルなものまでパワーポイントでつくる表紙のデザイン例をご紹介しています。
ビジネスパーソンなら誰もが「できるだけ資料は見たくない」
詳細は下記の記事をご覧いただければと思いますが、ビジネスパーソンなら誰でも「できるだけ資料は見たくない」と考えています。
そんな人たちに資料を見てもらうためには、表紙をいかに作り込むかがとても重要となります。表紙は中身ができたら適当につくって終わりという代物ではありません。
この記事でご紹介させていただいた方法などを駆使して、少しでも注目を集め、資料の中身に興味をもってもらえるような表紙にしていただければと思います。